付句風呂 ユミコロドリゲス

みなさん、連句楽しんでますか。
私は連句エンジョイ勢です。

どのくらいエンジョイ勢かというと、
元々俳句や短歌を嗜んでいたわけでもなく、
口当たりが良ければええやろ、と平気で破調の句を出すし、
未だに月の句と花の句と恋の句が苦手だし、
三句去りもよく頭から抜け落ちてるし、
自分の句に自信がなさすぎて毎回捌きの方の顔色を伺ってしまうし。
(今まで捌きをして下さった方、やりづらかったらごめんなさい)

それでも付句をする、という行為がとても面白くて、連句を続けている。

連句の向き合い方、楽しみ方として、正しいかどうかわからないのだけど、
「付句をする」という行為は、一緒に連句を巻く人の頭の中に沸かしてあるお風呂にお招きいただいている感覚があって、とても心地いいのだ。

初めて参加した時は「このお風呂でのマナーはこれであっているのだろうか」「どっちの足から入ろうか」「私なんかが入ってもいいのだろうか」など
心の夏井いつき先生に(俳句に触れる機会がプレバトくらいしかなかった)添削してもらいつつ、肩をこわばらせながら付句を考えていた。

お風呂の色や香りや肌触りを楽しむことができなかったのだが、あまりに皆さんが色んなお風呂を入れてくれるものだから、何度か付句を考えているうちにいつのまにかこわばってた体がほぐされていた。

余裕が出てくると、その人がなんでその香りのお風呂を沸かそうと思ったか考えたくなってくる。
そして、私の沸かしたお風呂ももっと楽しんで欲しくなってくる。

一緒に連句の空間を共にすること、というのは人を上品にまるはだかにしてくれる気がする。ああ今まるはだかだなあ、と感じる瞬間がとてもとても好きである。

企業の面接とかにも連句、取り入れるのどうでしょう。
200字程度の自己アピールより、全然人となりがわかってくると思うのですが…。

そんなわけで私は連句のお風呂に入りに、毎回句会に参加している。

ここまでの文章が他のコラム執筆者と比べて知識がなさすぎて相当凹みながら書いているが
(できれば芭蕉の言葉とか引用しながら説得力のある文章が書いてみたい)
お口に合わない場合はこのコラムを捌いてもらえればと思う。

とはいえ、楽しんでもらいたい気持ちもあって、脳みそが「こうしなきゃ」で凝り固まった文章を書いてしまっている気もする。
そろそろ連句のお風呂に入って、コリをほぐしたほうがいいかもしれない。

◯ユミコロドリゲス
1991年大阪生まれ大阪育ち。社会人3年経験したのち、突然漫画を描きたくなり退社。ビッグコミック増刊号にて「マシュマロランド」を連載。