高松霞と門野優の往復書簡

vol.15 2024.08.07 高松霞

 ネットで連句を見かけると、眉間に力が入ります。「いいぞ、もっとやれ」と心が湧き立つ一方で、「それなんの形式?」「どこで何を読んで、誰から教わった?」「式目わかってる?」とモヤモヤとすることも多いです。大体の場合、「本で連句を知った・学んだ」という方が多く、「実際の連句会で、口伝を受け」てはいないような気がします。そして連句の本もそんなには出ていないわけで、これは「連句」という文芸の力が弱まっている証拠です。実際に、彼らと巻いたときに「霞さんはローカルルールを使いすぎる、そんなことは本に載っていない」と言われたことがあります。だから、「楽しいのが一番、ちょっとおかしくても黙っとこ」という姿勢をとっています。やる気がある方ならこの「連句新聞」にたどり着き、「なるほど、こういうやり方があるのか」と納得してくれるだろうから。

 それで、夏号の編集後記で、もんちゃんがすげーいい事を書いておられました!

<そんな様々な意見が自分の中で常に飛び交っているって状態って、混乱もするけど、そんな自分をちゃんと認めてあげて耳を澄ませてあげることが出来れば、もっと連句が上達するんじゃないだろうか!と思ったんですけど、どうでしょう?>

 いやー、その通りだ。門野さんの言っていることのよさは、「自分をちゃんと認めてあげて」というところだと思う。問題は自分にある。他人ではない。疲れている場合ではないのだ。