【大阪連句懇話会】二十韻「鳥には鳥の」の巻

クリックで拡大▲

二十韻「鳥には鳥の」の巻

   初雪や鳥には鳥のしらせ方 

   田中雅子

    凍河を越えて届く返信 

    小池正博

   村ひとつ少女は水を汲みにゆき 

   雅子

    拾った石を入れるエプロン   

    正博

ウ  星連れて旅に出たいと今日の月 

   雅子

    絵本のなかに誘うむくどり 

    正博

   新走酌む玲瓏の君の杯     

   雅子

    キューピッドかな恋敵かな 

    正博

   信頼の欠片ぼろぼろ崩れ落ち  

   雅子

    準決勝の汗のむなしさ   

    正博

ナオ 感染の終息祈る祭笛      

   正博

    新たな習慣またも生まれて 

    雅子

   アバターが仮想空間闊歩する  

   正博

    頬に触れたい冬空の月   

    雅子

   改札を入って彼女振り向かず  

   正博

    中島みゆき口ずさみつつ  

    雅子

ナウ 白昼をシュプレヒコール通り過ぎ

   正博

    春の思いを踏むスニーカー 

    雅子

   人ちがいでしたと花の遍路宿  

   正博

    PC画面に映る蜜蜂    

    雅子

  二〇二一年一月五日起首 文韻

     一月三十一日満尾