【桃雅会】回文連句 二十韻「春も来た」の巻

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回文連句 二十韻「春も来た」の巻

 捌 杉山壽子

 発句 春も来た野山と麻野の滝も瑠波  

    杉山壽子

    ハルモキタノヤマトマヤノタキモルハ

  脇  摘み草の丘佳芳の柞満つ  

     中森美保子

     ツミクサノオカカオノサクミツ

  三 2鶯歌うよ歌う水宮に      

    島田裕子

    ニウグイスウタウヨウタウスイグウニ

  四  琵琶をば鳴らし知らなばを詫び

     中西静子

     ビワヲバナラシシラナバヲワビ

 ウ一 きつとまた眠らぬラムネ玉と月  

    宮川尚子

    キツトマタネムラヌラムネタマトツキ   

 二   三夏夜のキス好きの予感さ  

     寺田重雄

     サンカヨノキススキノヨカンサ

 三  この娘いい時々どきといいこの娘    

    壽

    コノコイイトキドキドキトイイコノコ

 四   楽々に崖怪我にくらくら   

     八雲鏡湖

     ラクラクニガケケガニクラクラ

 五  友の来て知らせ焦らし敵の下  

    波多野茂子

    トモノキテシラセアセラシテキノモト

 六   駄目だはダメだダメだは駄目だ

     畔柳名美子

     ダメダハダメダダメダハダメダ

ナオ一 息白く手を取り通て黒敷居   

    大久保志遼

    イキシロクテオトリトオテクロシキイ

  二  ゆつたり湯舟寝ぶ揺り立つ湯

     高橋すなを

     ユツタリユブネネブユリタツユ

      三 甕の月笑まひて扉前吉の神       

    保

    ミカノツキエマヒテヒマエキツノカミ

  四  柿なる田舎家内ルナ帰化      

     裕

     カキナルイナカカナイルナキカ

  五 利酒はくつきりきつくは今朝効き    

    雄

    キキサケハクツキリキツクハケサキキ

  六  翁に見たか互になきを       

     静

     ヲキナニミタカカタミニナキヲ

ナウ一 栄にて乗れない汝の手に絵傘      

    保

    サカエニテノレナイナレノテニエカサ

  二  寝つきよき君御酒清き常      

     茂

     ネツキヨキキミミキキヨキツネ

  三 公の名は憩いよ憩い花の樹       

    壽

    キミノナハイコイヨイコイハナノミキ

 挙句  仔猫可愛い良い若仔猫    

     古賀幹子

     コネコカワイイイイワカコネコ

令和二年十一月二十八日 起首 十二月八日 満尾