【あしべ連句会】二十韻「青より蝶」の巻
二十韻「青より蝶」
捌 もりともこ
フェルメール青より蝶の飛び出せり
もりともこ
余寒に光る北向きの窓
谷澤 節
香りよき木の芽田楽弁当に
平良 孝子
墨やはらかく好日の文字
木戸 ミサ
ウ 月旅行三割引きの夏休み
山本 天球
初めて交はす螢めく恋
竹下 昭子
衣擦れの音さへいとし嵐山
松本奈里子
寂聴さんの法話はじまる
天球
サイン会長蛇の列の最後尾
竹山みどり
太つた腹が目立つ兵児帯
増田 敏
ナオ 家中を揺るがす程のしはぶきに
節
春の便りを待ち侘びる杣
孝子
故郷へおいてけぼりは淋しかろ
敏
ひしと抱(いだ)きて虫時雨聴く
みどり
月待てば小半(こなから)の酒からになり
奈里子
松ぼつくりが風に転がる
節
ナウ タップ踏むみごとに揃ふ靴の芸
ミサ
夢の数だけ売れるお守
ともこ
花ふぶき新しき御代寿ぎぬ
昭子
東の空を凧は悠悠
奈里子
平成三十一年三月二十七日 起首
平成三十一年四月二十五日 満尾
於 難波市民学習センター・文音