【わかくさ連句会】 半歌仙「喫茶去や」の巻
半歌仙「喫茶去や」の巻
捌 三原寿典
喫茶去や庭のつばきを鶴頚に
三原 寿典
立春祝ふ床の墨跡
松本奈里子
県境ひ疎水のうらら流れゐて
上野 知子
次の宿場へ向かふ坂道
角谷美恵子
三味の音は雲間の月を誘ひ出し
谷澤 節
やや寒の夜はおとぎ話を
もりともこ
木の洞でましら酒酌む森の精
寿典
ピントの合わぬ写真大事に
奈里子
洒落た帯緩めてみよか成らぬ道
美恵子
埋もれ火煽る初恋の人
知子
泥棒は札束よりもパスワード
ともこ
越前蟹は腕にタグ付け
節
月冴えて故山は銀の塊に
奈里子
許すべからず他国侵攻
金城比呂子
半世紀胃の腑の頼り陀羅尼助
知子
近づく雨をスマホ知らせる
美恵子
神苑の白砂の波に花積もり
節
春泥をつけ帰宅する猫
ともこ
令和四年二月十二日 首
令和四年三月一日 尾
於 リモート・文音