【わかくさ連句会】 二十韻「お水取り」の巻
二十韻「お水取り」の巻
捌 山本天球
松明の火の粉降らせてお水取り
脇田惠子
のりこぼし咲く開山の堂
梅谷彌生
軒庇つばめ来る日を待ちかねて
増田敏
まっさらな靴履いて飛び出し
惠子
ウ 月涼し遊覧船の湖にうく
彌生
風死んだふり二人見守る
山本天球
騙されてバージンロード歩く吾
彌生
仮想通貨は誰が盗ったの
敏
掘り起こす木簡泥にまみれ居り
彌生
素通りできぬ骨董の店
敏
ナオ 冬帽子ま深にかぶり帰路急ぐ
彌生
父の鼻歌古すぎる曲
惠子
君と観た「いちご白書」のポスターが
天球
秋爽の街恋を追憶
敏
今日の月残業終えた背を照らす
惠子
紅葉かつ散る我が想いのせ
彌生
ナウ 下駄鳴らし宿着姿で縄のれん
敏
見知らぬ景色読めぬ駅名
惠子
異次元な花のトンネル人消えて
彌生
紋白蝶の静かなる舞
敏
平成三十年三月 十日 起首
平成三十年四月二十一日 満尾
於 奈良市はぐくみセンター