【大阪連句懇話会】 居待「秋深し」の巻
居待「秋深し」の巻
捌 小池正博
秋深し絵馬も俳書を知りた顔
小池 正博
古本市に月の出るまで
岡本 遊凪
鯷褒むいつも通りの縄のれん
星野 焱
LINEで送る俺の蘊蓄
木村 ふう
今はただ首を絞めんと勇み立ち
青木 亮人
ダックスフントちょこなんと居り
焱
雪もよい誰も来ぬ日の笠地蔵
ふう
峠で望む故郷の海
遊凪
サミットの警備体制厳粛に
ふう
駅のトイレで直すお化粧
焱
長男がまたも持ち出す母の服
ふう
ユキオでしょうかユキコでしょうか
正博
月仄か一人増えてる肝試し
ふう
観光客が食べる玉葱
遊凪
厭離穢土欣求浄土を唱えつつ
焱
風船飛ばす七回の裏
ふう
花の窓少年たちに野心あり
正博
誘われてくる頬白の群
遊凪
二〇一五年十月十一日 首尾
於 大阪天満宮
*居待 岡本春人創案。表も裏もなく、一気に十八句を巻き上げる。