【猫蓑会】 歌仙「秋蝶に」の巻
歌仙「秋蝶に」の巻
捌 佐々木有子
秋蝶に低くゆっくり迎えらる
佐々木有子
ひょんの実吹いて歩む野の道
御園 魚彦
月の家親子の風呂の楽しくて
江津ひろみ
残る塗り絵はあと一頁
北龍志保子
今年こそ世界遺産の城めぐり
彦
瀑布眼下に遊覧のヘリ
有
洞窟をざわと湧き出る蚊喰鳥
保
埋蔵金は絶対にある
み
越後屋の妾になんてならないぞ
有
蚤の夫婦が手をつなぎ行く
彦
御機嫌のホテルのケーキバイキング
み
セーヌの水面揺れる寒月
保
鳰や鳰つんれとや下校の子
彦
百科事典を繙いてみる
有
ITと五分の勝負の本因坊
保
イス席ありとイベントのビラ
み
花篝神舞い給う御苑なり
有
頬なで過ぎるは軟東風か気か
彦
鍬下ろすたびにふんわり土匂う
み
「ひるのいこい」の聞こえくる頃
保
おむすびのころり転げて鼠穴
彦
さっぱりわからぬ手品師の技
有
宇宙から青い地球を見てみたい
保
ビキニ娘をズームアップで
み
雷鳴って二人しっぽりワンルーム
有
心残れる明易の頃
彦
勉強をするには机まず整理
み
壁に掛けたる般若波羅密多
保
月影の深深と沁み渡りおり
彦
鯷漬にて茶漬一杯
有
紅葉の千鳥ヶ淵を散歩して
保
古地図マニアの長き蘊蓄
み
調べ物検索サイトをクリックし
有
鈍行列車の旅路くねくね
彦
花よ降れ世界平和は夢じゃない
み
ふうと吹きたるたんぽぽの絮
保
令和四年十月十五日 首尾
於 戸塚地域センター