【大阪連句懇話会】非懐紙「廃園の」の巻

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非懐紙「廃園の」の巻

小池正博 捌 

廃園の姿を正す星月夜         

小池正博

 回転木馬揺らす蟋蟀         

 門野優

サーカスにいたらとさかをなくしそう  

暮田真名  

 財布に青き指紋をつけて      

 二三川練

絞り染めみたいに笑ってもいいの      

真名        

 からだをほどく梅雨の前ぶれ         

 優

あなたなら甘酒で十分だから         

練    

 窓の外には国境の川          

 正博

ピラニアに小指の爪を齧られた        

 夜、煙突はみじかくなって       

 真名 

コンビニに立ち寄るうりざね顔の犬  

北野抜け芝     

 肉まん割って凍晴にする         

 練  

黒髪の埋まる土の寒椿            

 六道輪廻どれにしようか         

 優

本棚の模様のシール壁に貼り         

 ほんとの部屋は春水の中         

 優         

麗らかに魚の楽しみ語り合う        

正博  

 ふいに後ろの軽き自転車         

 練

  二〇二一年五月二十三日 首尾

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