ソネット「花狂ひ」の巻(交差韻)
花狂ひBBBBダンスGO
東條 士郎
中毒性の曲が永日
曽根 燦
春灯にロマン求めて読むユゴー
早見 敏子
思ひ通りにゆかぬ現実
士郎
目前でするりと逃げた青い鳥
燦
虎落笛たら得意気に吹く
敏子
来ぬ人を待つ年の市われひとり
士郎
シーソーに似て恋は往復
燦
篝火の燃えて鵜匠の腕自慢
敏子
海よりの香の甘く涼しき
士郎
ひとさまの涙知る子に育まん
燦
飢ゑたる国の民へピロシキ
士郎
月を背にただ見抜かれてゐる欺瞞
燦
物の音の澄む棟上げの式
敏子
令和六年四月十四日 起
令和六年五月六日 首
於 文学書道館&文音