【奈良県連句協会】二十韻「寒遍路」の巻

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二十韻「寒遍路」の巻 

   捌 井内 温雄

   ましませる大師に出会ふ寒遍路 

   井内 温雄

    冬天の雲象の形に     

    松本奈里子

   世界地図大海原に広ごりて   

   竹山みどり

    掛声あはせエンヤトットと 

    谷澤  節

ウ  月のぼる我国探査参入す       

   温雄

    願の糸を朱鷺色に染め     

    奈里子

   秋袷お見合ひ写真笑くぼ顔       

   節

    有田茶碗に飯のこんもり    

    みどり

   銀幕の永久のあくがれ原節子     

   温雄

    アンチエイジは妖怪を生む   

    奈里子

ナオ 下闇を吹き過ぐる風そよそよと 

   金城比呂子

    行水桶に映る三日月        

    節

   好物のさしみ肴に独り酒      

   比呂子

    膝の黒猫名前D五一(でごいち)

    奈里子

   目をそらすそ知らぬ顔の深い仲   

   みどり

    タンゴを踊る美女にウィンク

    生駒さとし

ナウ 外つ国の言葉とびかふ旧き街    

   奈里子

    春のスカーフ軽くなびかせ   

    みどり

   前線の北へ北へと花の旅      

   さとし

    潮干狩りして作る貝笛      

    温雄

  平成二十九年十一月十五日 起首

  平成二十九年十一月二十日 満尾

  於 橿原市すみれホール