【徳島県連句協会】短歌行「風脆き」の巻
短歌行「風脆き」の巻
東條士郎 捌
野を渡る蝉羽月の風脆き
東條士郎
夕顔の色それは純白
三輪 和
朗読の声張りの佳し高さ佳し
武内 菊
一次審査の合格を手に
二橋 満璃
ウ 下戸なれど酒器を並べて十三夜
和
神嘗祭とテレビ報道
士郎
玉砂利を踏む沓音のさやけしく
満璃
蹴鞠の臣に憧れを寄せ
菊
フィクションの積もりが事実吐露されて
士郎
薬つけても性はそのまま
和
花咲いて散りて無常の過疎の里
菊
蝌蚪文字をかく池の陽だまり
満璃
ナオ 春帽子どの子もスマホ首に掛け
和
人災天災降り注ぐなか
菊
前見据ゑわだばゴッホになりたいと
満璃
転がされてる釈迦の掌
士郎
運命を託せし賽はなげられて
菊
スノータイヤで逃避行する
和
凍月をともに愛づるも今宵のみ
士郎
憎い面影胸のロケット
満璃
ナウ ふるさとは母のぬくもり煮ころがし
和
幼児の頃に返る大脳
菊
弥栄を祈りつつ祈ぐ花の春
満璃
青海波分け宝船来る
執筆
令和二年七月十三日 起首 於文学書道館
八月二十四日 満尾 &文音