【徳島県連句協会】短歌行「風脆き」の巻

クリックで拡大▲

短歌行「風脆き」の巻 

   東條士郎 捌

   野を渡る蝉羽月の風脆き     

   東條士郎

    夕顔の色それは純白     

    三輪 和

   朗読の声張りの佳し高さ佳し   

   武内 菊

    一次審査の合格を手に   

    二橋 満璃

ウ  下戸なれど酒器を並べて十三夜     

   和

    神嘗祭とテレビ報道       

    士郎

   玉砂利を踏む沓音のさやけしく    

   満璃

    蹴鞠の臣に憧れを寄せ       

    菊

   フィクションの積もりが事実吐露されて

   士郎

    薬つけても性はそのまま      

    和

   花咲いて散りて無常の過疎の里     

   菊

    蝌蚪文字をかく池の陽だまり   

    満璃

ナオ 春帽子どの子もスマホ首に掛け     

   和

    人災天災降り注ぐなか       

    菊

   前見据ゑわだばゴッホになりたいと  

   満璃

    転がされてる釈迦の掌      

    士郎

   運命を託せし賽はなげられて      

   菊

    スノータイヤで逃避行する     

    和

   凍月をともに愛づるも今宵のみ    

   士郎

    憎い面影胸のロケット      

    満璃

ナウ ふるさとは母のぬくもり煮ころがし   

   和

    幼児の頃に返る大脳        

    菊

   弥栄を祈りつつ祈ぐ花の春      

   満璃

    青海波分け宝船来る       

    執筆  

 令和二年七月十三日 起首 於文学書道館

    八月二十四日 満尾 &文音