【猫蓑会】 令和五年芭蕉忌正式俳諧 脇起二十韻
令和五年芭蕉忌正式俳諧 脇起二十韻
木枯やたけにかくれてしづまりぬ
翁
時をりに舞ふ綿虫の群
林 転石
少年の詩心ふつと湧くならん
本屋 良子
シャープペンより2B鉛筆
武井 雅子
雁の棹月下の湖を鳴きながら
坂本 孝子
愛の誓詞をなぞる長き夜
内田 遊眠
イエスとは応へたけれど湧く秋思
鈴木 了斎
リスク承知の急な転職
江津ひろみ
末の子が親の背中を見て育ち
永田 吉文
どこへも一緒仔犬ころころ
箭内 敏枝
石畳平和の鐘が鳴り響く
根津 忠史
松の色冴え夏の霜踏む
上月 淳子
ジョギングのタオルの揺れる隅田川
平林 香織
キッチンカーの彼にぞつこん
岩崎あき子
空港はお腹大きな人ばかり
堀田 季何
募金の箱に小銭投げ入れ
宇田川 肇
遠き日の友の笑顔を思ひ出し
杉山 壽子
霞も晴れて巡る盃
荒木 鑑
夢語る植物学者花の下
鈴木千惠子
欠伸止まらぬうららかな午後
執筆
令和五年十月十八日 首尾
於 江東区芭蕉記念館