【わかくさ連句会】 二十韻「モーツァルト」の巻

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二十韻「モーツァルト」の巻

   捌 木戸ミサ

てふてふの軌跡を弾けばモーツァルト  

木戸 ミサ

 仄かに香る浅黄水仙         

 増田 敏

春帽のひさしに風の集ひ来て      

松本奈里子

 公民館に習字する子ら       

 角谷美恵子

月光に蜥蜴は尻尾くねらせる      

もりともこ

 ビール注ぐ手の指輪気になり    

 谷澤  節

遠距離の恋の隙間に付喪神       

上野 知子

 革命を経し王配の逝く         

 美恵子

ぼろ纏ひからくり人形はしやぎ出し       

 消えた聖火をライターで点け      

 奈里子

大岩を持ち上げんとす霜柱          

知子

 災害救助活躍の犬            

 ミサ

自己愛と無償の愛のせめぎあひ       

奈里子

 半分あげる鮭のおむすび          

 節

飛行機と共に旅する月の舟           

 羅漢様へと紅葉ふみわけ        

 ともこ

パソコンの機嫌とりつつ三時間        

知子

 海のものとも山のものとも        

 ミサ

花ふぶき玄室昏き石舞台            

 都踊りのかはいらしさよ        

 美恵子

  令和三年四月十日 首尾
  於 リモート