【あしべ連句会】短歌行「夏椿」の巻

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短歌行「夏椿」の巻

 捌 松本奈里子

   一閃にうかびあがるや夏椿    

   松本奈里子

    蒸暑きなか目指す投票    

    井内 温雄

   母来たる故郷の味を携へて    

   増田  敏

    なにげなき紋風呂敷にあり  

    三原 寿典

 ウ 満月を背に修行僧経を詠み        

   敏

    拝み太郎の殊勝なる影      

    奈里子 

   ワイルドのサロメ上演村芝居   

   谷澤  節

    駆け来る君に募るいとしさ  

    もりともこ

   直球の愛受けとめる厚き胸       

   温雄

    ふうせんガムがぱつつんと割れ  

    奈里子

   岸辺には花筏追ふ子らの声       

   寿典

    鮎汲みをする翁矍鑠         

    敏

ナオ 耕牛は己が尻尾をもてあまし       

   節

    トムとジェリーはベストフレンド  

    温雄

   ダブルスは日本のおはこバドミントン 

   ともこ

    ふり回される曖昧な笑み     

    奈里子

   誘おふか同窓会の帰り道         

   敏

    悴む夜に燃え尽きてみん       

    節

   蕪村忌の蝋涙(ろうるい)しとど月灯る

   ともこ

    からの徳利が寝ころがる卓    

    奈里子

ナウ 哲学書「善の研究」完読す       

   温雄

    ちんちん電車走る広島       

    寿典

   真青なる空しづやかに花匂ひ       

   節

    なぞへに群れる黄蝶粉蝶     

    ともこ

  令和元年七月二十四日 起首

  令和元年九月九日 満尾

  於 難波市民学習センター・文音