【大阪連句懇話会】二十韻「詩人のメモ」の巻
二十韻「詩人のメモ」
小池正博 捌
黄水仙詩人のメモの隅に咲く
小池 正博
大きな瞳の中の陽炎
波田野香乃
ぶらんこを蹴れば海まで見渡せて
木村 ふう
ふたり乗りして遠くまでゆき
山中 広海
ウラ 月の砂までこぼれ落つ虎落笛
高橋 実里
やっぱり今日は好きな熱燗
南雲 玉江
目の前の寿司握る手を掴みたし
広海
広い背中に香るアイコス
香乃
QRコードのつれてくる異国
実里
さあ!あつまれどうぶつの森へ
ふう
ナオ はちみつの瓶を見つけた油虫
玉江
巨神アトラスうなだれている
実里
あぶれたる一夫多妻という形
ふう
葡萄種ごと飲み込めばいい
香乃
古里の山に漕ぎ出す月の舟
玉江
祖母の差し出す落鮎の籠
広海
ナウ 気にかかるコロナワクチン配布量
ふう
始まりの音そっと流れる
広海
初花の数を数えているうちに
正博
少年少女ココロ霾る
ふう
二〇二一年三月二十一日 首尾
第三十一回大阪連句懇話会 リモート連句