【大阪連句懇話会】五十鈴川「たこ焼きの鉄板」の巻
五十鈴川「たこ焼きの鉄板」の巻
木村ふう 捌
【上流】
たこ焼きの鉄板洗う夏はじめ
木村 ふう
アッパッパの手蛇口全開
角谷美恵子
勝ち取ったチケット払い戻そうか
波田野香乃
サラブレッドになる夢を見る
三島茄乃子
十五夜の団子を狙う謎の影
谷澤 節 月
【中流】
秋の海から鼾聞こえて
香乃
君に似る時代祭の女童(めのわらわ)
美恵子
ミスコン制覇オーラふりまく
節
七つめの名字の姉に塩を盛る
茄乃子
逃げに逃げたが役立たぬまま
ふう
予鈴鳴り全速力よ冴返る
香乃 鈴
進級テスト無事に終了
美恵子
ガンジスに散らす花びら彼岸へと
節 花の川
ワンカップでいいと笑う遺影
茄乃子
大寺の奥まで掃除ロボットが
美恵子
【下流】
塔のてっぺんには冬の月
香乃 冬月
鷹匠のみつめる富士の雪化粧
茄乃子
自転車篭には愛しマシュマロ
節
首尾 令和三年 五月二十三日
第三十二回大阪連句懇話会 リモート連句
五十鈴川は皇大神宮(伊勢神宮 内宮)の西の端を流れる宮川水系の一級河川。
その名前をいただいた御当地形式 木村ふう 立案
上の折 五句(上流) 中の折 十句(中流) 下の折 三句(下流) 計十八句。中の折に「鈴の座」を置く。一花二月。
花か月の句に川を詠み込む。 五・十・川(三)・鈴 で五十鈴川を表現。