Hiphop RENKU  “TOBIUO”

クリックで拡大▲

連句ってサイファーみたいって思っていた。
場所はどこだってよくて、人が集まって、みんなで輪になって、句を続けていく。
ラップにはビートが存在して、連句には季寄せや式目が存在する。

この連句を巻いた2019年はテレビで「フリースタイルダンジョン」が流行っていて、秋には葉ね文庫で開催されていた葉ねサイファーに飛び入りで参加したりもした。
HiphopRENKUは木村ふうさんが2013年にヒップホップと連句の可能性を感じてはじめたもの。
ラップ風の韻を踏みやすいように「長長短短 長長短短」の8句をひとまとめとして、それぞれに季を詠み込み、何回か繰り返す。
最低一花一月。特に定座は決めていない。視覚的に長短の差を明確にするために短句は二字提げて記載。
連句にはもともと「ソネット」や「テルツァリーマ」という韻を踏む形式も存在するため、ラップよりもはっきりと韻を踏むように心掛けている。

ぜひ一度声に出して読んでみてほしい。体が勝手にリズムをとりだして、読み進めていくうちにどんどん楽しい気分になってくる。(門野)

Hiphop RENKU  “TOBIUO” 

Started on 190719    Finished on 191013

1 飛魚の飛んで眩しき外航路        

  ふう

2 お土産に夏の風をと買い香炉       

  ゆう

3   履き慣れた靴揃い踏みして    

    たけ

4   吐き捨てるよに想い出捨てて   

    ふう

5 俳句でも短歌でもなくする連句      

  ゆう

6 胡の国の砂静まれば月真紅        

  たけ

7   姫を狙いて毒盛る林檎       

   ふう

8   朝霧深く極悪人Go       

    ゆう

renku renku renku Let’s go

9 法の門潜り十年善く学び         

  たけ

10 追うのもうやめて充電木曜日       

  ふう

11   枯れて南天荒れて月経      

    ゆう

12   霙に濡れて透ける体型      

    たけ

13 巫女踊る神降りる頃鈴の音        

  ゆう

14 身罷れる花に埋もるその顔と       

  ふう

15   解ける糸の先に風船       

    たけ

16   揚雲雀と野描くラッセン     

    ゆう

renku renku renku Let’s go

17 肩組んで君を讃えるノーサイド      

  ふう

18 歌がるた取れた取られた笑う門      

  たけ

19   馬数多行く初荷賑やか      

    ゆう

20   美味い雑炊決めてはおかか    

    ふう

21 西成に夫婦喧嘩の三軒目         

  たけ

22 もうなんで!ここではそれはしません、め!

  ゆう

23   計画運休それも英断       

    ふう

24   口笛吹いて今日もウェルダン   

    たけ

renku renku renku Let’s go