【宮城県連句協会】 非懐紙「躓き癖」の巻
非懐紙「躓き癖」の巻
初蝶のもつれ躓き癖笑ふ
狩野康子
あちらこちらに剪定の枝
鵜飼桜千子
一山を幾らで売るか駆け引きに
靜 寿美子
名水所望おすそ分けなら
康子
闇を行く修行の層の白づくめ
桜千子
張り込み中に犬に吠えられ
寿美子
薔薇に棘造化の妙といふことも
康子
切子の壜に致死量の毒
桜千子
軋み出す魔女の魔法のとけし朝
寿美子
僕の愛する素のままの君
康子
颯爽と就職先はペンタゴン
桜千子
擬似未来都市叩く北風
寿美子
数人でおでんつつくも法に触れ
康子
DNAはホモサピエンス
桜千子
癇の虫カプセルに詰め鍵をかけ
寿美子
酵母むつくり起きる酒蔵
康子
鳳凰は初東雲に染まりゆく
桜千子
弓矢始の幼児凛々しき
寿美子
令和三年三月八日 首
令和三年四月六日 尾
於 文音