【桃雅会】 歌仙「吊橋に」の巻

クリックで拡大▲

歌仙「吊橋に」の巻

   捌 八雲 鏡湖

吊橋に響く川音秋澄めり         

八雲 鏡湖

 粧ふ山に淡き昼月          

 杉山 壽子

芸術祭鳥の写真を応募して        

島田 裕子

 おやつ作りは孫と一緒に       

 古賀 幹子

貝殻のモビール揺らす南風        

中森美保子

 のうぜんかづら鮮やかに垂れ     

 寺田 重雄

園丁の手入れよき庭巡りゐて       

中西 静子

 名前呼ぶ声夢の中まで        

 高橋すなを

コマーシャルみたいに「好きだ」繰り返す 

宮川 尚子

 鏡見つめて動かない猫        

 波多野茂子

ひとり酒五臓六腑にしみわたる      

長谷川芳子

 停まつてくれぬ空のタクシー         

 裕

凍て月のかかる駅裏静寂濃く           

 鬼の面する父へ豆打つ            

 湖

本棚に好みの漫画詰め込んで           

 将棋クラブは学校の前            

 保

仙人の住処のごとく花の宿            

 黄砂降るらしまなこしよぼしよぼ       

 静

春コートマンハッタンを闊歩する         

 長く尾をひく鎮魂の鐘            

 尚

浮世絵の貼り交ぜ屛風料亭に           

 杖にすがりつ家事こなす刀自         

 芳

形代に無病を願ひ息掛けて            

 汗を飛ばしてドライバー振る         

 壽

まつすぐな気性の君に胸焦がす          

 愛の証は子だくさんです           

 幹

お洗濯満艦飾の物干し場             

 供引き連れて桃太郎行く           

 雄

狂言師良夜のもとで稽古積む           

 刈田道にも並ぶ三脚             

 を

つれづれにかかし相手に禅問答          

 へのへのもへじ書けば笑顔に         

 茂

無益なることも楽しむ長寿国           

 薄く伸びゆく春雲の足            

 壽

花吹雪心に大き羽生えて             

 点となるまで高く凧揚ぐ          

 執筆

  令和五年一月二十五日 首
  六月二十五日 尾