【宮城県連句協会】非懐紙「梅雨晴れ間」の巻
非懐紙「梅雨晴れ間」の巻
衆議判
梅雨晴れ間自尊心たる犀の角
狩野康子
内なるマグマ今は静かに
永渕 丹
ゆっくりとケーキの山を崩すらん
康子
海の渦から生まれ出る頃
丹
哲学は敗れ太鼓を見てしより
康子
田螺の螺旋ほどいてもみる
丹
春塵にアラブの男髭を撫で
康子
睡りの匂い花の奥から
丹
夢違い観音吐息また吐息
康子
短刀深くしまう婚の荷
康子
異類譚身を焼き尽くす恋なれば
丹
選り取り見取り霞網にて
康子
鱗粉と色なき風をカクテルに
丹
もっと頑張れコロナワクチン
康子
挨拶はいつものように「おみょうにち」
丹
棟梁うなる天平の技
康子
吐く息も自制の効いた謡初
丹
しきたり通り飾る蓬莱
執筆
起首 令和三年二月二十六日
満尾 令和三年三月二十三日
於 文音
※「おみょうにち」は仙台弁で「またあした」