【徳島県連句協会】賜餐「哀しみの」の巻

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賜餐「哀しみの」の巻

捌 東條 士郎 

哀しみの皮はぐ罪や黒葡萄     

東條士郎

 闇あればこそ満月の綺羅    

 曽根 燦

ララバイのやうに漣打ち寄せて   

関真由子

ウ       

 朔太郎忌は旅の途中に       

 西條裕子

足裏に火を踏む恋の忍び逢ひ       

燦    

 神の差配を恨む後朝(きぬぎぬ)  

 士郎

ナオ

猟銃に狙はれてゐる身の不運      

裕子

 ローンウルフの長き遠吠え    

 真由子

病める子は青き山嶺指差さん      

士郎

ナウ

 オカリナの口欠けてねむたげ     

 燦

舞ひ上がる羽衣となり花吹雪     

真由子

 円き柱にもたれぬる春       

 裕子

  

  令和二年九月 十三日 起首

  同年同月二十五日 満尾

  於 渭東コミュニティセンター&文音