【おたくさの会】箙「赤蜻蛉」の巻

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箙「赤蜻蛉」の巻

絵に描いたやうな青空赤とんばう     

在間洋子

 外接円の月が宿題           

 鈴木漠

長き夜の定規コンパス埒もなし      

赤坂恒子

 鍵を差し込む穴はいづこか        

 東條士郎

板橋を揺り花いちもんめ遠き日々     

安田幸子    

 猿轡してラグビーを観る       

 土井幸夫

ウ       

灘の酒届き子持ちの柳葉魚(ししやも)焼く

梅村光明

 賢治童話を読み繋ぎをり       

 福永祥子

相傘にどつどどどどう向ひ風        

辻久々

 キューピッドからやけに矢が飛び   

 森本多衣

消防の出初(でぞめ)に勇む益荒男(ますらを)ら 

三神あすか

 産土(うぶすな)神の太き注連(しめ)縄 

 裕子

ナオ

古事記なる国生みの儀のおほらかさ      

幸夫

 仮想の旅に夏桔梗愛で          

 幸子

天に月涼う浄瑠璃たけなはに         

士郎

 鬼の嬶奴(かかめ)も拭ふ目頭      

 久々

幼(をさな)らもヒロイン気取りハロウィン  

祥子

 秋の夕べに探すU・F・O(ユーフォー)  

 光明

ナウ

黒猫が掃いて散らした流れ星         

多衣

 獄舎の窓辺恩赦待ちつつ        

 あすか

ノートへと小さき春を写し留め        

恒子

 卒業までを友と親しむ          

 士郎

吹奏に送られ花の人となる          

光明

 粋な燕はみな燕尾服           

 執筆

  二〇二〇年一〇月首尾(ファクシミリ)

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