【桃雅会】名古屋賦物歌仙「名古屋の鯱」の巻

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アーカイブス・名古屋賦物
 歌仙「名古屋の鯱」の巻 

   杉山壽子 捌

 名古屋言葉を中心に、名古屋の特産 
 名物 風習 地名 固有名詞などを詠み込む

   入りゃあすばせ名古屋の鯱に秋日燦  

   杉山 壽子

    月見団子のまわし早やーで    

    宮川 侊子

   あんちゃんはござるきゃあもと台風に 

   大口 元通

    庄内川の水があぶにゃあ     

    中森美保子

   それならばご無礼しますにぶったまげ 

   青島ゆみを

    市長の言葉ちょこっとあかんぜえ 

    くの あや

ウ  味噌煮込みだゃあ好き亭主はたらり汗 

   長谷川芳子

    有松絞り早ようくくりゃせ    

    宮川 尚子

   ねえあんたこそべったゃあで止めてちょう

   松尾 博雄

    あられものうて果ててまったに  

    伴野 末季

   孫連れてデパートめぐりだちゃかんわ 

   古賀 寛哉

    ひつまぶしでも食べなあかんがね 

    古賀 幹子

   あんばようやってちょうせよ火の用心 

   足立 徳子

    おそぎゃあほどに月冴ゆる城   

    島田 裕子

   碁盤割り四角四面のつらがくる    

   田中 初子

    ごがわゃあてごがわゃあて困って候

    壽

   花ぐるひ尾張名所へ行こみゃあか   

   保

    春夕べだに何言ってりゃあす   

    通

ナオ 閑所奥屋根神さまはぬくたそう    

   侊

    杜国はどこだゃあ空米の罪    

    を

   ビル街もあんばよう梅雨が晴れたわなも

   尚

    せんじ氷の幟はたはた      

    幹

   鍋屋町所在なげだわ楽隠居      

   保

    三味の音やえて猫がにげたわ   

    初

   ノリタケできんにゃあ皿に絵付けして 

   裕

    ちょっとも変わらん千成うんみゃあ

    芳

   観月会初恋の人と八十日目      

   幹

    野菊の君はとてもひどろい    

    徳

   紅葉酒東谷山まで飲んでまう     

   雄

    はちべにされて泣いてまったに  

    侊

ナウ 外国に会ひたゃあもんで埠頭まで   

   尚

    ぎょうさんあるわ輸出自動車   

    哉

   ぞんざいな物は作らん町工場     

   や

    椅子いざらかしあんたあかんがね 

    裕

   開府から四百年余の花まみれ     

   を

    もったゃあなゃあほどひざしええ春

    季

  平成二十三年十月二日 起首

  十月三十日 満尾