【桃雅会】 十八公「絵羽織の蝶」の巻
十八公「絵羽織の蝶」の巻
捌 宮川尚子
絵羽織の蝶にてふてふとまりけり
宮川 尚子
入学式のお目出度き朝
杉山 壽子
青き踏む最初の一歩大胆に
高橋すなを
さらさらさらと流れゆく川
寺田 重雄
スケッチの画家は目深にハンチング
中森美保子
冷やし飴湯の喉に染み入り
中西 靜子
知らんぷりして悠然と熱帯魚
島田 裕子
とめ・はね・はらい指導厳格
尚
十五夜をよぎる機影を撮影し
古賀 幹子
金木犀の香り何処から
保
早々と新酒の並ぶ店先に
壽
路上ライブの弾き語りデュオ
を
相性はばつちりだよと占ひ師
重
そもなれそめは小雪舞ふ駅
保
凍空に犬の遠吠え聞こえきて
靜
方丈様は昔語りを
尚
ほろほろと散る花びらに鯉の跳ね
裕
自転車旅の風光る街
幹
令和七年一月四日 起
令和七年一月十九日 首
於 文音