【草門会】 ソネット「それはそれとして」の巻

ソネット「それはそれとして」の巻
捌 山地春眠子
草の門早苗蜻蛉の迷い込む
小池 正博
スパイラルから友笑みて夏
山地春眠子
それはそれとして宇宙の二三間
高松 霞
頤ぐいと吊り上げる鉤
村松 定史
尼僧がスイッチを入れてくれたよ
正博
気付かぬように人形に化け
吉岡三智子
修羅能の舞い了りしか細雪
西川 菜帆
背中にそっとトクホンを貼る
朝倉 一湖
稜線に積まれし石に月射して
岡部 瑞枝
新酒のグラス合わせ螻蛄聴く
川野 蓼艸
魂が重い朝昼夜と霧
霞
祓詞に呪詛を隠せる
定史
花片はかみそりの刃の光とや
正博
海より生れし風のうららか
菜帆
令和五年六月十七日 首尾
於 文京シビックセンター