【大阪連句懇話会】賦物・妖怪半歌仙「三つめの」の巻

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賦物・妖怪半歌仙「三つめの」の巻

   小池正博 捌

   三つめの目の玉ひらく秋暑し  

   久留島 元

    あやしの里を照らす月光  

    小池 正博

   生臭き風は薄を吹き分けて   

   品部 三酔

    おいてけ堀にぷくり泡立つ 

    内山 尚美

   とび上がる河童の皿にリボンあり

   もりともこ

    浴衣の裾を引っ張るは誰  

    松本奈里子 

 ウ 美しきおみ足選りて脛こすり  

   木村 ふう

    妖力失せし久米の仙人      

    尚美

   洗濯が好きな貧乏神のビン       

   元

    また婆さんが砂かけてゆく    

    ふう

   こわくない?のっぺらぼうの脱個性 

   奈里子

    一反もめん寒天に舞う      

    三酔

   真夜の月ねずみ男はほおかぶり   

   ともこ

    人面瘡が飲みほした酒      

    正博

   RHマイナスAB吸血し       

   ふう

    手術の前は天使微笑む     

    ともこ

   花ふらす枝に小鬼がむれ遊び    

   奈里子

    暮れかねている黄泉比良坂    

    ふう

  二〇一三年八月二十五日

  於 たかつガーデン