【宮城県連句協会】自由律非懐紙「天国見せたくて」の巻

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自由律非懐紙「天国見せたくて」

 天国見せたくてかかしにVRゴーグル

 永渕丹

  荒鷹早々と落下す      

  狩野康子

 多細胞生物終戦記念日黙す       

 丹

  富士山に罪有りや無しや     

  康子

 座り直し軽い気持ちで嘘言ってみる   

 丹

  カフカは行水中         

  康子

 炎暑配達夫は肉屋の鏡に消え      

 丹

  愛の言葉には振り仮名欲しい   

  康子

 血縁の濃さが悲劇の幕開けとなる   

 康子

  億年、ああシーカランス      

  丹

 ちぢれ癖の髯に計算機がおどおど   

 康子

  お代わりしたのは根深汁      

  丹

 目貼り練炭火鉢昭和じんわり染み   

 康子

  雲潜る寒月それっきり       

  丹

 カーテンコールに応え花道から鬼女  

 康子

  砂眠り夢に解く愁眉        

  丹

 三密避け生きるもの全てへ花の笑   

 康子

  白妙に花の滴る         

  執筆

  起首 令和三年七月一日

  満尾 令和三年七月十二日