【桃雅会】回文連句 二十韻「都草」の巻
回文連句 二十韻「都草」の巻
杉山 壽子 捌
都草戸添ひて潜と咲く小闇
杉山 壽子
ミヤコクサトソヒテヒソトサクコヤミ
蜘蛛の子ふらと捕らふこの木
中森美保子
クモノコフラトトラフコノモク
逃げ行くとやつたよ達也得意げに
島田 裕子
ニゲイクトヤツタヨタツヤトクイゲニ
薬飲んだか歌壇のリスク
古賀 幹子
クスリノンダカカダンノリスク
ウ 木津の地の川面にも我が後の月
宮川 尚子
キツノチノカワモニモワカノチノツキ
花野来たりて照り滝の名は
高橋すなを
ハナノキタリテテリタキノナハ
村々に案山子を鹿が睨むらむ
八雲 鏡湖
ムラムラニカカシヲシカカニラムラム
夜目遠目にて手に目を止めよ
寺田 重雄
ヨメトヲメニテテニメヲトメヨ
歌うたうこの子はこの子歌うたう
波多野茂子
ウタウタウコノコハコノコウタウタウ
痛い痛いと解いた良い帯
中西 静子
イタイイタイトトイタイイタイ
ナオ 雪達磨出来た粗朶きて丸太消ゆ
美保子
ユキタルマテキタソタキテマルタキユ
凍月の下多士の吉邸
裕子
イテツキノシタタシノキツテイ
眠たいとねんねのねんね解いた胸
幹子
ネムタイトネンネノネンネトイタムネ
困る可愛さ差異わかる真子
尚子
コマルカワイササイワカルマコ
以夷制夷ロシアは悪し路夷以制夷
すなを
イイセイイロシアハアシロイイセイイ
今朝敵にはか川に来て酒
鏡湖
ケサテキニハカカハニキテサケ
ナウ 三連句まさか逆さま訓練さ
重雄
サンレンクマサカサカサマクンレンサ
子猫は虎猫虎猫は小猫
長谷川芳子
コネコハコネココネコハコネコ
友の行く海老名花冷え悔いのもと
裕子
トモノイクエビナハナビエクイノモト
うらうらうらと捉う朧朧鶯
執筆
ウラウラウラトトラウラウラウ
令和四年一月二十一日 起首
三月一日 満尾 文音