【宮城県連句協会】非懐紙「汝と吾を」の巻

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非懐紙「汝と吾を」 

 汝と吾をあやつるつもり帰り花 

 小池舞

  さんさ時雨かおともせで来る

  永渕丹

 新しき世を楽園と意約して  

 狩野康子

  象さんのこと犀さんのこと   

  舞

 男たち喫水深く帰港する      

 丹

  くもる眼鏡の端に疫病    

  康子

 言い残すことはないよとあっけらかん

 舞

  きっと誰かのおはぐろとんぼ  

  丹

 遊びめくハンカチ落とし本気とは 

 康子

  一本指でエリーゼのため    

  舞

 星月夜列車丸ごと包み込む     

 丹

  車座になり酌めよどぶろく  

  康子

 無造作に初猟の銃立てかけて    

 舞

  縁起知らねど起こる道心    

  丹

 火山微動笹原ざわざわと     

 康子

  子をあやしつつ菜をきざみつつ 

  舞

 処女作が大賞となり時の人     

 丹

  しゃぼん玉なら届け屋根まで 

  康子

  令和三年七月二十三日 起首

  令和三年八月二十二日 満尾

  メール音