【わかくさ連句会】 二十韻「耐の一文字」の巻

クリックで拡大▲

二十韻「耐の一文字」の巻

   捌 小池正博

書初めや耐の一文字力込め     

増田  敏

 淑気に香る水滴の青      

 松本奈里子

干潟から無数の命溢れ出て     

門野  優

 おもちゃ箱へとブリキロボット 

 谷澤  節

明後日は魔法の月を探そうね    

小池 正博

 劇場の庭夕紅葉映え      

 三原 寿典

生薬の猿の腰掛児が見つけ     

角谷美恵子

 嘆きの壁にあまた幽霊     

 もりともこ

厄年をスーパーカブで突っ走る       

 深山に籠もり滝に打たれし       

 敏

琥珀色三年物の梅焼酎           

 戸棚の奥に眠らせる恋         

 優

姫想い標野に皇子手を振りて        

寿

 乱を起こして君に逢いたし       

 正

凍て鶴を優しく照らす月の舟        

 日本海より寒気入りこむ        

 美

読み終えた推理小説友人に         

 宅配便のインターフォン鳴る      

 美

満開の花枝垂れたる寺の大屋根       

寿

 春塵つもる石の階           

 節

  令和三年一月九日 首尾
  於 リモート