【宮城県連句協会】 胡蝶「純心が」の巻
胡蝶「純心が」の巻
純心がロールキャベツに澄む四日
狩野康子
羽化には早きわらべ結初
永渕丹
凍ゆるむもの言わぬもの声あげて
康子
地図に尋ねし雁風呂の浜
丹
月おぼろ方向音痴というべきか
康子
切取線のこちら凡骨
丹
中 しずしずと朱夏をつらぬく僧の列
康子
放射線にも河童軟骨
丹
仮の家にとてちれしゃんと生きている
康子
火酒と胎児を抱き亡命
丹
君待てば刻も乳房も弾みだす
康子
奈落の口に落とす銅鏡
丹
冬の虹喪服いよいよ漆黒に
丹
橇を操るボスは老犬
康子
フィヨルドに深海流の湧き立ちて
丹
鍵のひとつが外れ政変
康子
近衛兵二手に分かれ月の門
丹
菊人形は右を指差し
康子
ウ 誰見てもどこから見ても毒茸
丹
命養うジェネリック薬
康子
なあなあとまあまあそれで円満に
丹
女優はあくび噛みころしおり
康子
沿岸を花回廊は500㌔
丹
青帝駆ける空へハレルヤ
執筆
平成二十六年二月二十二日 首
平成二十六年四月 二日 尾