【徳島県連句協会】獅子「遅日」の巻
獅子「遅日」
歳時記の枕ベンチの遅日かな
東條士郎
山脈(やまなみ)遙か峯の残雪
竹内菊
帰り来る猫は頭に花付けて
三輪和
秘密持つ身は風を怖るる
士郎
ウ 黒髪のまたも乱るる苦しさに
菊
恋病やも知れぬ夏痩
和
月かげは変はらぬものを原爆忌
士郎
人権といふ重みずつしり
菊
ナオ 末つ子は生徒会長名乗り出て
和
宇宙のごみを食べるマンモス
士郎
外套はイタリア製のヴィンテージ
菊
男寡黙に居酒屋の隅
和
ナウ 信なくば立たず荒野の羅針盤
士郎
妙法の火を細く消えゆく
和
旅好きの吾に友なる月優し
菊
茸の龍の並ぶ競り市
執筆
令和三年四月十八日 起首
五月十七日満尾
於 渭東コミュニティセンター&文音