【桃雅会】歌仙「シャガールの鶏」の巻

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アーカイブス・鳥づくし
 歌仙「シャガールの鶏」の巻 

   杉山 壽子 捌

   シャガールの鶏春の雲飛んで     

   杉山 壽子

    そぞろ楽しき鷺苔の道      

    中森美保子

   なだめれば籠の鶯啼くならん     

   松尾 博雄

    取り(鳥)あはせよき仕出し弁当 

    島田 裕子

   月の客鳥打帽を横に置き       

   長谷川芳子

    時(鴇)を忘れて語る相棒    

    宮川 侊子

 ウ けら(啄木鳥)つつき大黒柱に穴あける

   武村 利子

    果つる(鶴)家にも美女の遺伝子 

    青島ゆみを

   卑猥(鶸)なるビデオを彼に見せられて

   古賀 幹子

    格好(郭公)つけてかまととのふり

    山田 歌子

   鴉にも作法ある奴生ごみ場      

   田中 初子

    ボタ山から(山雀)も夏の月出る 

    古賀 寛哉

   油蝉とび(鳶)交ふ声も明るいね  

    足立 徳子

    歌謡大賞とり(鳥)を受け持つ  

    伴野 末季

   電飾をまとふガリバー高(鷹)鼾   

   宮川 尚子

    鳥が塒に運ぶ挽き屑       

    くの あや

   花おぼろ鴫立庵に逆立ちす      

   大口 元通

    カモカ(鴨)のおっちゃん青海苔で酒

   小崎 郁子

ナオ うららかに嘘(鷽)八百を並べたて  

   細川 研三

    鴉かぁーかぁー電柱の上      

       雄

   遊び好き目白の家は始終から(四十雀)

       裕

    九官鳥に「ママ」と呼ばれて    

       利

   幸せを運んできたよと鸛       

       侊

    酉(鳥)の市行き蕎麦を一杯    

       保

   耳袋(梟)獣のごとく運転す     

       季

    BGMは美空ひばり(雲雀)を   

       幹

   宝石とディナーで釣る(鶴)は常套で 

       歌

    初な心を鷲掴みされ        

       哉

   すは大事おっとり(鳥)刀の月の下  

       を

    金木犀は深く匂(鳰)へり     

       尚

ナウ 連雁の四千キロを旅しゆく      

       や

    べた凪に寝て快調(海鳥)ですよ  

       通

   はっと(鳩)する子供の仕種われに似て

       徳

    囮(雄鳥)捜査に現場緊張     

       芳

   ほほ赤(頬赤)く塗りたるピエロ花の宴

       三

    夕霞へと小雀の飛ぶ        

       初

  平成十九年三月十三日 起首

  五月十一日 満尾