【大阪連句懇話会】半歌仙「分光器」の巻

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半歌仙「分光器」の巻

   小池正博 捌

 瀬戸夏子著『はつなつみずうみ分光器』に寄せて

   冬麗かの手作りの分光器      

   小池正博

    小春の庭に鳥の羽ばたき   

    五郎丸照子

   きのうからわたしは私設図書館員

   なかやまなな

    糸でんわより目覚ましの音  

    角谷美恵子

   満月が空にキラリと見えている  

   石川こはる

    案山子の帽子ちょっと借りてく 

    久留島元 

 ウ 秋ここで右に曲がってしまうかも   

   高松霞

    酔わないでいて正解だった    

    永井亘

   風景をきみのこぼれてゆく画素で  

   佐々木紺

    婚姻届消えるインクを     

    木村ふう

   絶対に畳の下に何かある      

   多賀盛剛

    ソロキャンプでは鬼と合流  

    松本奈里子

   アメリカにダイビングして月を抜く  

   平英之

    副社長まで昇り詰めたが     

    迷鳥子

   撮影会ここ一番の老いの笑み     

   渡辺柚

    清少納言機知にあふれて   

    もりともこ

   むこうがわルビのふり方花の色   

   瀬戸夏子

    いろんな味のわらび餅なの   

    石川緑茶

  二〇二一年十二月五日 首尾

  第三十五回大阪連句懇話会(リモート連句)