【桃雅会】半歌仙「葱白く」の巻
芭蕉翁献詠連句
半歌仙「葱白く」の巻
捌 中森美保子
葱白く洗ひたてたるさむさ哉
芭蕉翁
ふくら雀の鳴き交はす声
中森美保子
少年の夢見る瞳輝きて
杉山 壽子
机の上に本を積み上げ
寺田 重雄
抽象も具象も並ぶ美術展
長谷川芳子
出窓に浮かぶ弓張の月
高橋すなを
ウ 仮装する手作り服でハロウィーン
島田 裕子
スマホ決済わりと簡単
古賀 幹子
かの人は難攻不落そこがまた
中西 静子
同じ職場に密かなる恋
八雲 鏡湖
家飲みの酒一合と乾き物
波多野茂子
折り紙持つて置薬の来る
壽子
月涼しスカイツリーはカラフルに
重雄
ひねもす眠る夏瘦せの猫
芳子
潮騒を辿りてゆけば漁師宿
すなを
卒業記念クラスメートと
幹子
掌に花びら受けてはしゃぎをり
静子
風やはらかに渡る尾張野
鏡湖
令和三年五月三十一日 満尾 文音