【徳島県連句協会】 賜餐「久方の客」の巻

クリックで拡大▲

賜餐「久方の客」の巻

久方の客を筍連れてくる      

東條  士郎

 青葉若葉に開け放つ窓     

 三輪    和

手のひらで叩くギターも好きな音  

曽根    燦

 残る蛍のついと翔び立ち        

かぐや姫夢捨て月へ戻りなむ      

 燦

 名ある新酒に恋の思ひ出       

士郎

したたかに鬼と仏が胸に棲み       

 雪を下ろすもままにならざる    

 士郎

勝てぬもの齢と孫と災害と        

  針の供養の豆腐哀しも       

 士郎

脱ぎ散らし絹の海なり花衣        

  芝ざくら展ぶ風わたる丘       

 燦

  令和六年四月十四日 首
  令和六年五月十日 尾
  於 徳島県立文学書道館&文音

 形式「賜餐」についてー 四連より成る。連はそれぞれ三句。季をそれぞれの連に配す。