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賜餐「久方の客」の巻
久方の客を筍連れてくる
東條 士郎
青葉若葉に開け放つ窓
三輪 和
手のひらで叩くギターも好きな音
曽根 燦
残る蛍のついと翔び立ち
和
かぐや姫夢捨て月へ戻りなむ
燦
名ある新酒に恋の思ひ出
士郎
したたかに鬼と仏が胸に棲み
燦
雪を下ろすもままにならざる
士郎
勝てぬもの齢と孫と災害と
和
針の供養の豆腐哀しも
士郎
脱ぎ散らし絹の海なり花衣
和
芝ざくら展ぶ風わたる丘
燦
令和六年四月十四日 首
令和六年五月十日 尾
於 徳島県立文学書道館&文音
形式「賜餐」についてー 四連より成る。連はそれぞれ三句。季をそれぞれの連に配す。