【桃雅会】 二十韻「風の歌」の巻

二十韻「風の歌」の巻
捌 宮川尚子
麦秋やささらささらと風の歌
中森美保子
サマーハウスの池に水立つ
杉山 壽子
子供らは複製名画ながめゐて
中西 靜子
もの言いたげにふくらます鼻
宮川 尚子
ポーカーの運引き寄せる望の月
高橋すなを
柱時計の刻む長き夜
寺田 重雄
束の間の逢瀬に交わす新走
古賀 幹子
ススス好きだよコココ恋しい
尚
尾を振つて見上げる犬の愛らしさ
壽
洗濯物の翻る庭
保
朝練のサッカー部員元気よく
幹
有明の道初氷踏み
尚
挿げ替へる下駄の鼻緒は赤い色
重
きゆんと胸打つ思ひ出の浜
壽
縒り戻すことにそろそろ飽き始め
尚
いつそどこかに旅に出ようか
保
何にせよ大吉のよく出る神社
靜
飴玉一つ春を含んで
壽
全快の便りうれしき花の宵
重
蚕の棚に寝息満ちたり
を
令和七年一月二十二日 首
令和七年三月三十日 尾
於 イーブルなごやおよび文音