半歌仙「凍蝶の息」の巻

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ときどき作家のほしおさなえさんのところで連句をやっている4人で、ツイッターのDMグループを使って5月末から8月1日まで2か月かけて巻きました。メンバーはナヲコさん(twitter:@nawokot)、Jさん(@JoEguchi)、雨水さん(@SANAENAGAO)と竹内亮(@takeuchiryo)です。

「凍蝶の息」の巻 

   竹内亮・捌

コーヒーと日傘を持って通勤す     

雨水

 散歩の犬の首にオナモミ     

 ナヲコ

洞穴に光る貝殻落ちていて        

 塩田に吹く夕方の風         

 亮

ついてきた月を土産に開けるドア   

ナヲコ

 銀のナイフで梨の皮剥く       

 亮

首うずめおくんちの龍(じゃ)が眠る闇 

ナヲコ

 彼のシャツには赤いすい星     

 雨水

熱湯を浴びても生きて出会えたの     

 ベールを上げてほしくって ほら 

 ナヲコ

描くんだ漂白された世界でも       

 あのキリンたちなお夢の中     

 雨水

旧友と焚き火囲んで見た月は       

 私の息も凍蝶となる        

 雨水

酔漢の与太話から出たまこと     

ナヲコ

 宿題をせず寝てしまう人       

 亮

散る花が墓に積もれば歌聞こえ      

 温む川面に筏漕ぎだす      

 ナヲコ