【あしべ連句会】 二十韻「錫杖の音」の巻

二十韻「錫杖の音」の巻
捌 三原寿典
墨錫杖の音や若葉の竹生島
三原 寿典
さざ波立てる小満の風
谷澤 節
懇ろに筆の穂先をととのへて
松本奈里子
切り抜きを貼るスクラップ帳
もりともこ
放浪のロイド眼鏡を照らす月
角谷美恵子
新酒持ち寄りにぎやかに舞ふ
岡谷 樹
君吹きしひよんの実そつと懐に
奈里子
ひたすら尽くすなんて昭和よ
美恵子
だまし絵の階段上りまた下り
節
ドルの相場をチェックする日々
寿典
Z世代ネットカジノの罠に落つ
ともこ
しぐるる畑に靴を濡らして
樹
雲居まで美しく染めあげ凍ての月
寿典
ハシビロコウは身じろぎもせず
節
両ぎりの煙草もみ消す指が好き
奈里子
夢の中まで燃ゆる抱擁
ともこ
初々しお宮参りの若夫婦
美恵子
驢馬のパン屋の歩みのどらか
節
咲き誇る百種の花の通り抜け
樹
ほのかに馨る利茶一服
美恵子
令和四年五月二十五日 首尾
於 リモート