【草門会】 二十韻「乱打の川」の巻
二十韻「乱打の川」の巻
捌 村松 定史
走り梅雨乱打の川の膨張す
村松 定史
青蜥蜴棲むビルの屋上
西川 菜帆
交信のロボットふいに躓いて
小池 舞
叱りゐし子の頬拭いてやり
清水 風子
魂を埋めて帰れば残る月
川野 蓼艸
冷凍細胞梶の葉の歌
風子
甘噛みに口伝ささやく冬隣
蓼艸
播州算盤しやかしやかと振る
舞
獏の図で閉づる巻物マナハウス
菜帆
運河の旅は百韻で行く
菜帆
オイスターバー骨牌印の燐寸箱
舞
月燦然と夜神楽を統べ
定史
風の声尾根から尾根を越えてくる
岡部 瑞枝
碑文をなぞる白々と指
伊澤のりこ
モナ・リザの瞳の中に生きる人
浅岡 照夫
ガラスの靴に罪がいつぱい
舞
隕石が落ちてきさうね晴れきつて
のりこ
蟻穴を出て急げ異界へ
瑞枝
花大樹KOBAN勤務今年まで
舞
囀ありて凧はゆらゆら
執筆
令和四年五月二十一日 首
令和四年六月十八日 尾
於 東京文化会館、文京シビックセンター