【桃雅会】 源心「しろつめくさ」の巻
桃雅会「しろつめくさ」の巻
捌 中森美保子
四つの葉のしろつめくさを見つけたり
中森美保子
あゝ嬉しいと弥生吉日
杉山 壽子
春の街行き交ふ人の晴れやかに
畔柳名美子
子らは飽かずにリコーダー吹く
中西 静子
月さまへ折敷上には心太
壽
靴に打ち水恋のきつかけ
静
オーマイガッドウインクの目と片笑窪
壽
ヒマラヤ杉の広いキャンパス
保
数式の書かれた紙と風遊ぶ
名
体温計の値正常
壽
お気楽な総理のみせる過ごし方
名
銘酒「獺祭」夫と楽しむ
静
雨あがる若葉の花のゆらぎづめ
壽
入道雲の変はりゆく峰
名
旅ごころガイドブックをポケットに
静
まづは柏手神の鈴ふる
壽
とびとびの石は北斗の形して
壽
衛星写す冬の列島
名
しなやかにシュプール描くスキーヤー
静
元の彼女と縒りをもどした
壽
遠回りしたけど愛は揺るぎない
保
美術展向け励むデッサン
静
ノクターン窓に射し入る月の光ヶ
名
独り住まひに小鳥来る頃
壽
懐かしき相千両の下駄の減り
壽
小川の岸に浮かぶ笹舟
名
里山はただいちめんの花ふぶき
保
希望を乗せて烏賊幟舞ふ
静
首 令和二年四月十九日
尾 令和二年五月二十日
於 文音